子猫・子犬を拾ったら
- HAB保護動物クリニック 飯岡 恭子
- 2018年7月4日
- 読了時間: 2分
6月以降、子猫・子犬の保護をされたという方からのお問い合わせや
クリニックが往診しているボランティアさまへの保護依頼が急増しています
ボランティアさまへの保護依頼のなかで、
一番困ると皆様がおっしゃるのが「丸なげ」保護です
「見つけ手助けてあげたいが、手間も、場所も、もお金も出せません」
このような、責任感の薄い善意がボランティアさまの活動を圧迫しているのは
非常に悲しいことですが事実です
まず、動物を保護した場合「保護場所・保護の手間・保護にかかる費用」は
きちんと負担する気持ちを持ちましょう
そのうちのどれかが不可能である場合は、出来うる限りの負担をし
ご自身が負担できないものを肩代わりしてくださる方に、相応の対価を支払うべきだと
私は思っています
「ボランティアっていうから、無料でやってくれると思っていた」
「動物好きなんだから、ただでも喜んでやるべき」というのは乱暴な理屈です
もちろん、動物を遺棄する人や不妊手術をしない無責任な飼い主は一番悪いのは
事実ですが「保護したけど面倒は見ない」というのも十分に無責任な態度であることを
自覚しましょう
保護場所を提供できないのであれば、その旨をきちんと伝え
そのかわりに保護場所を提供する方が必要とする支援を差し出す用意があることを伝えましょう
健康な子猫が生まれてから大きな病気をせずに譲渡可能な年齢になるまでに
少なくとも数万円の支出が必要になります(ミルク代・ウイルス検査代・ワクチン代・不妊手術代など)
責任を持って費用の負担を行い、提供できない保護場所や保護の手間については
ほかの形での支援を申し出れば保護ボランティアの負担は減少しより多くの動物を保護することが可能になります
動物愛護というものは、「動物が好きな人が無尽蔵に資金を出して行うもの」ではありません
生きているものに対する「尊厳」を守り、責任ある態度をもつ姿勢を子供たちに伝えることで「命の尊さ、それを育むことへの責任」を学んでゆくことのできる立派な社会活動です
悲しいニュースが多い昨今、ぜひ命を大切にする教育姿勢について、
動物愛護が人間愛護につながる可能性について考えてみてください
そして、日本の保護ボランティア活動を良い一層実りあるものにできるよう
ご理解とご協力をお願いいたします
HAB保護動物クリニック 飯岡 恭子
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