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皮膚病と抗生物質について

  • HAB保護動物クリニック 飯岡 恭子
  • 2018年2月1日
  • 読了時間: 5分

寒い日が続きますね^^

雪の少ない大阪府ですが、年に1~2回積もることがあります。

先週は15cmほど積もってクリニックの往診が遅れるという

事件もありました・・・

私が個人で保護した我が家の愛犬も車椅子で

雪道を走って大喜びしていました

今回は皮膚病と抗生物質について

簡単にご説明してみようと思います

皮膚病と一括りに行っても

原因も症状もとても様々です

ですが、皮膚の一番の役割は

外界にある異物(細菌やカビ、酵母、昆虫や刺激物)から

カラダを守ることです

そのため、一番初めにダメージを受けるのは皮膚だということです

1)外的要因による皮膚病

細菌・カビ・酵母などの微生物が皮膚の上にあるのは実は

正常な状態です

動物も人間も皮膚の表面に常に細菌やカビ・酵母をたくさんつけて

生活しています(ちょっとキモチワルイですが・・・)

実はこれは正常であり、非常に大事なことです

外界にある非常に有害な細菌やカビ・酵母に皮膚が触れたとき

皮膚表面にいつも常住している細菌やカビ・酵母たちは

自分の縄張りを守るために外界からの侵入者を撃退します

実は微生物の世界は多数決が最大の正義のルール

皮膚の上に常にとどまる微生物が多数決で圧勝すれば

事なきを得て皮膚病にはなりません

ですが、加齢やアレルギーの発症などで体側が

常在微生物への認識を変更してしまうことがあります

今まで上手に共存してきたのに、敵とみなし攻撃をしてしまったり

ある程度の量以上に常在微生物が増えないようにコントロールできなくなります

そうなると皮膚の防御は破綻してしまって

皮膚病が発生します

原因は外来の微生物であることも、常在微生物であることもありますが

皮膚の炎症を引き起こし脱毛や赤み・免疫反応によるかゆみや痛みを引き起こします

2)内的要因による皮膚炎

基本的に皮膚炎は外的要因によるものがほとんどです

内的要因による皮膚炎にはホルモン性のものと免疫不全によるものが

多いと言えます

ですがこれらのどちらも皮膚の正常な免疫機能が崩れ

常在微生物や外来の微生物をコントロールできなくなって

皮膚の症状が発生しますので、最終的に怒るのは1)で述べたような

皮膚炎となります

上記の説明から、結局は皮膚の上の細菌・カビ・酵母が暴走して

皮膚炎が起こることがわかりますね

それに対応するために使用するのが抗生物質です

耳にしたことのある人は多いでしょう

人間が医学に及ぼした最大の功労である抗生物質は

微生物の暴走を止めるために必要不可欠な薬品です

ですが、使用法・使用するタイミングを間違えると

飲んでいても効果が何もないという恐ろしい事態を引き起こします

抗生物質を飲ませたり、塗布すれば治るわけではないケースにも

抗生物質を処方する獣医師が増えています

抗生物質は万能選手ではありません

「得手不得手」があり、効果のない微生物はかならず存在します

さらに、連続して長期間使用すると微生物がその毒性に慣れて

効果がなくなることもあります(こういう微生物を耐性菌とよんでいます)

抗生物質を使う際に気をつけたいことは

①適切な薬剤を選ぶこと(獣医師の判断が大事です)

②もらった抗生物質はもらった期間きちんと服用すること(飼い主様・保護主さまの判断で中断したり期間伸ばすことはよくない結果をもたらします)

③連続して2週間以上の同じ抗生物質の服薬は避ける(耐性菌を作らないために大事なことです)

以上の観点から、クリニックでは①を実行するために状態の悪い皮膚病の場合は

「どの抗生物質が効果があるのか」をチェックする検査をしてから飲ませるべき抗生物質を

選びます

「すぐに薬をくれない」のではなく、きちんと効果があり皮膚病を治せるかの判断のための

検査ですので無駄になることはありません

さらに②の観点から、2週間飲んで治療効果がない場合は抗生物質の種類を変更したり

検査のやり直しを行うことがあります

ほかの動物病院でなら、すぐに薬をたくさんくれてキレイになるという飼い主様もおられますが

飼い主様の判断で抗生物質を処方するということはありません

皮膚病は原因が多岐にわたり、治療に時間がかかることも多いです

ですが、きちんと原因を見極め正しい対応を行うことで再発を防ぎ

健康な皮膚と被毛を保つためにはそれが「最良の道」であることを

ご説明差し上げています

長期の投薬でもあまり皮膚病が好転しない

薬の量が多すぎて不安だ

このようなご相談も診察カウンセリングで承っております

messenger・メール・電話などで診察カウンセリングのご予約を頂ければ

予約をおとりしてご相談を受け付けています

わかりやすい説明と、根本的な治療を心がけ

物言わぬ動物たちの皮膚病をきちんと改善・治癒できるように

最大の努力をさせていただきます

是非ご相談、お問い合わせください

HAB保護動物クリニックは 「往診専門の動物病院」です

保護ボランティアさま・里親様の動物医療費の負担軽減を目的とし

安価で適切な診療を心がけております

大阪府豊能郡から車でお伺いできる範囲で診療を行います

それ以外にも診察カウンセリングとして電話・インターネット通話での

ご相談も有料で承っております

「治療について知りたい、薬について知りたい」

「飼育について病院で聞きづらいことを聞きたい」

「困っていることについて聞いて欲しい」

多頭飼育や保護ボランティアなどの経験があるため

様々なご相談をいただいております

ホームページからお気軽にお問い合わせください


 
 
 

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