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防災の日に

  • HAB保護動物クリニック 飯岡 恭子
  • 2017年9月1日
  • 読了時間: 5分

9月1日は「防災の日」ですね

学生さんは学校で避難訓練、防災についての学習を

される方も多いのではないでしょうか

近年、災害時に動物たちをどうするのか、について

さまざまな情報が発信されています

割と最近の例を取ると、熊本の震災では

ペットの同伴避難が許可されたり、熊本県獣医師会と

県内・近県の動物病院が協力し被災ペットの避難や

治療に当たりました

しかし、実際の災害の場ではペットたちは

あくまでも人間のあと、という形になりがちです

飼い主が一番に動物たちのことを考え、備えておく必要性が

あるということをこの機会に再確認されてはいかがでしょうか

<被災するまえに心がけたいこと>

当たり前ですが、狂犬病の予防接種・伝染病を予防する混合ワクチンは

定期的に接種しておきましょう

被災時には、伝染病が流行することも考えられますし

狂犬病の予防をしていない犬は避難に際し問題視される可能性もあります

予防の証明があるかどうかよりも、万が一に備え動物たちのために

きちんと予防接種は受けておきましょう

1)災害直後の対応

自宅・保護場所での被災を想定すると、室内飼育の動物であれば

住居崩壊による迷子が一番心配されます

動物には「災害」がなになのかわからないので

パニックになりとんでもない方向へ逃げ出すことも多いです

まず、普段から迷子札をつけておくこと

猫などは、首輪などが取れやすいため「マイクロチップ」の

装着をおすすめします

獣医師会・保健所・愛護センターではマイクロチップリーダーを

かならず迷子の動物に使用します

リーダーでナンバーの確認された動物は保護され

飼い主の捜索がかならずなされます

犬であれば、係留用以外に近寄らなくても名前や連絡先を

確認できる迷子札をつけておきましょう

屋外飼育の犬だと、パニックになり係留(リードにつなぐ)している

首輪を引きちぎって逃げ出した例もあります

もちろん犬もマイクロチップを入れておけば、

かならず確認が取れるのでいざという時に頼りになります

室内飼育の動物であれば、1~2日はそれほど遠くまでは

逃げないことが多いそうです

見当たらない場合でも、落ち着いて飲み水とご飯を

おうちの周りにおいておきましょう

2)被災後の対応

命があって、無事であればそこからは次のことを考えてゆきましょう

被災直後の避難所はほとんどが、人間だけの避難用とされることが

多いです

おいてもらえるとしても、廊下や屋外になることも(避難者に獣毛アレルギーの人が

いることもあるため)あります

犬であれば、金属ワイヤーや金属チェーンのリードを用意しておきましょう

布製のリードだと食いちぎってしまうこともあります

猫の場合、リードでつなぐことは難しい場合が多いですね

ご自宅や保護場所が比較的安全な場合は、

ブレーカーを落とし(留守の間の火災を防ぎます)、しっかり

戸締りして一時的に凌ぐ必要があるでしょう

その際、できればケージなどに入れてあげると安全性が増します

同伴避難が可能な避難所がある場合でも、ケージや簡易ケージがあると

避難がしやすくなりますので前もって用意しておきましょう

3)避難の長期化に備えて

1~2日の避難であれば、健康な動物であればきちんとお水が飲めれば

健康に大きな影響はありません

しかし、実際の災害では避難は1週間を超えるケースが多いです

その際にきちんと備えておきたいのが

①いつも飲んでいるお薬

②処方食など特殊なフード

③フィラリア症やノミダニ予防の薬

です

とくに、アレルギーや心臓病・腎臓の悪い動物たちは

長く治療をしないことは健康を脅かす大きな問題となります

お薬については、たくさんの予備を手持ちに置くのは

古くなったりむだになることもありますので、

「処方箋」をかかりつけ医からもらっておきましょう

いつも飲んでいるお薬の種類・量などをきちんと

メモしてあれば被災地の獣医師会や近隣の動物病院で

同じお薬・または類似したお薬を手に入れることが可能です

処方食についても同じことが言えます。

食事とはいえども治療効果のある特殊な食事なので

避難所への支援物資には含まれないことがほとんどです

さらに、健康な動物でも環境変化や食事の変化で

お腹を壊したりすることもありますので

胃腸系のお薬にかんしても2~3日分はお手持ちになることを

おすすめします

4)災害後のペットのケア

人間と違い、動物たちはなぜこんな恐ろしいことが起こるのか

理解することができません

パニックになっている時は、なるべく静かにしましょう

地震の揺れを怖がるワンちゃん・ネコちゃんは

そっと体を抱いて揺らし、耳を塞いで優しく声をかけましょう

地面や家屋のキシミ・揺れをごまかすことで

恐怖感が薄れることがあります

5)保護ボランティアの対応

東北の震災では、関東近県の数多くのボランティア様が

いまも協力しながら被災動物の保護に尽力しています

自分は被災してなくても、被災地には数多くの

保護ボランティアが被災し困っていることが予想されます

個人活動になりがちなボランティアですが、横のつながりが

被災時には大切になります

facebookやTwitterなどSNSを利用し、普段から

近県のボランティアさまとの連携をもつことも大事ですね

以上、獣医師として被災について考えていることを

書いてみました

実際に、大きな災害にあった時冷静に判断するのは

とても難しいです

普段からの備え、心構えがいざという時に

動物たちの命を救います

ぜひ、防災の日という機会を大切に

ボランティアさまどうし、ご家族やお知り合いとも

動物たちの防災についてお話をされてみてはいかがでしょうか

参考までに環境省の出しているものです、ご一読ください^^

大切な


 
 
 

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